松山智一(まつやま ともかず)さんは、
NYを拠点に世界各都市で作品を発表し、ペインティングを中心に彫刻やインスタレーションも手掛ける現代美術家です。
「ゆず」のアルバムジャケットを手掛けるなどされており、「ゆず」のお2人との交流もある方です。
「ゆず」もこれまでにアートワークにおいて様々なアーティストとコレボレーションをしてこられ、
デビュー25周年を迎えた2022年、ニューアルバム「PEOPLE」のリリースに伴い、
松山智一さんとタッグを組みました。
こちらは「PEOPLE」をテーマに、松山智一さんの新作という位置づけで作品をゼロから制作。
全て手書きで仕上げた縦2.1m、横4.3mもの大作「People With People」を、
アルバム「PEOPLE」のメインビジュアルとしても使用するという、かつてない音楽×アートのコラボレーションとなりました。

こちらは、コロナ禍を経ての「人々とのつながり」と「夜明け」を表現したとのことです。
松山智一さんの作品は単なる装飾ではなく、時代や文化を反映したメッセージ性のあるものが多くあるので、
「PEOPLE」においても、コロナ禍の約2年間で多くの方々が感じたように、
松山さんも改めて人と人との絆を感じることが多くあったと話されています。
そんな想いとともに描かれたこちらの作品、色使いも独特で素敵ですね!
また、ゆずの全国アリーナツアー「YUZU ARENA TOUR 2022 PEOPLE -ALWAYS with you–」のステージビジュアルも松山智一さんが全面的に担当されました。

こちらのツアーのために制作したという全長12mの巨大オブジェ「マザー・アザ―」です。
ゆずのお2人と比べたら、その巨大さに驚きます。
ゆずの北川悠仁さんは、ライブ演出でも映像や舞台美術にこだわられている方で、
音楽だけでなく視覚的にも強いこだわりを持っておられることが特徴なので、これまでにもコラボしたアーティストは名だたる方が多いですが、
松山智一さんもまた、世界を魅了する現代アーティストです。
今回は松山智一さんのプロフィールや生い立ち、学歴・経歴についてまとめてみたいと思います。
松山智一について

プロフィールは?
松山 智一(まつやま ともかず)
生年月日:1976年4月30日
出身地:岐阜県高山市
在住:アメリカ・ニューヨーク
【学歴】
- 桑沢デザイン研究所夜間部ビジュアルデザイン科
- 上智大学経済学部
- ニューヨーク私立美術大学プラット・インスティテュートコミュニケーションズ・デザイン科を首席で卒業
現在は、ニューヨーク・ブルックリンにスタジオを構えている。
生い立ち・学歴は?
スケートボートからスノーボードへ
幼少期、牧師であった親の留学に伴って渡米し、小学校3年生から6年生まではアメリカの西海岸で過ごしていました。
アメリカ在住の時はスケートボードに夢中だったそうです。
アメリカ在住時、移民の子供たちと仲良くしていた松山さんの移動手段はスケートボードだったそうです。その後の、日本へ帰国した先が飛騨高山であったことから、スケートボードの影響から自然な流れでスノーボードをやり始めたとのことです。
中学校・高校は、暁星(ぎょうせい)国際学園でした。
中学・高校時代はアートの「ア」の字もなかったそうです。
上智大学の経済学部へ
上智大学を選んだのは、父親がクリスチャンでキリスト教に根ざした教育に魅力を感じたことと、
キャンパスのコンパクトな感じが好きだったからだそう。
この時は将来に明確なビジョンが無かったため、なぜ経済学部かという理由は特にないそうです。
大学時代はスノーボードに打ち込み、セミプロとしてさまざまなスポンサーからサポートを受けて海外遠征をしたり雑誌の誌面を飾ることもありました。
大学3年生の時、最終学年を目前に、今年はフルシーズンでスノーボードにをやると決めた矢先、
日本でのシーズンが始まる年明け早々に足首を複雑骨折してしまいました。
リハビリには10か月かかり、結局このシーズンは棒に振ることになってしまいます。
スノーボードを辞めても表現できるものを探していた時に、競争が激しくより自分を磨ける場所に身を置きたいと考えたその場所が、「ものづくり」であり、アートでした。
就職活動はせず、「何かを表現する」仕事に就きたいと考えたのです。
生い立ちをさかのぼると、当初はアートとは無縁だったんですね!驚きです。
表現するという部分は共通しているかもしれませんが、スノーボードとアートは結びつかないです。
そして、競争が激しく自分を磨ける場所に身を置きたいと考えるなんて、向上心が高い方なんですね。
好きな事への夢が絶たれてしまっても、新たに自分が輝ける場所を探すということに切り替える強さが素敵ですね。
リハビリを続けながら桑沢デザイン研究所・ビジュアルデザイン科へ
まずは表現を学ぶため、1年間リハビリを続けながら、夜間の専門学校・桑沢デザイン研究所のビジュアルデザイン科に通います。
松山さんの持ち前の性格とスノーボード時代の人脈を駆使して、
雑誌にイラストを描いたり、ボードウェアのデザインをしたりなどしていました。
代理店の面接を受けましたが、上手くいかず、その時目を付けたのがニューヨークでした。
松山さんの性格は負けず嫌いなところだそうで、スノーボード時代も大会の時だけではなく日頃の練習からストイックに励んでこられていたそうです。
向上心の高さと負けず嫌いな性格の甲斐あって、どんどん躍進していく姿が凄いですね!
ニューヨーク私立美術大学プラット・インスティテュートへ入学
アートの本場であるニューヨークへ行こうと決意し、ニューヨーク私立美術大学プラット・インスティテュートコミュニケーションズ・デザイン科に入学。
「すごいクリエイティブなことをするぞ!」と期待に胸を膨らませて行ってみたものの、刺激も手応えも非常に薄いと感じたそうです。
日本でしたくなかったことと一緒だと感じた松山さんは、
その後に出会ったブルックリンのアーティストたちに出会うことにより、
学校で何を学べるかよりニューヨークから何を吸収できるのか、どう成長できるのかに自分の主軸が移り、
デザインの勉強から作品を独学で作っていく転機となりました。
お高くとまった美術の世界ではなく、等身大のアーティストライフを見てカルチャーショックを受けると同時に、
「これをやりたい」と強く思ったそうです。
大学での勉強が志とは合わなかったとのことですが、これとは別に独学で学んでいこうとする行動力も素晴らしいですね!
それでいて、首席で卒業なんて凄すぎです。
せっかくアートの本場・ニューヨークに足を運んだんですから、何か得ないと確かにもったいないと思います。
経歴は?
ニューヨークでの生活
どうやったらアーティストになれるのかも分からず、何をしたらなれるかという世界ではないため、
とりあえず画材屋でキャンバスを買った松山さん。
1日2ドルの貧乏生活をしていましたが、スケーターから転身してアーティストになったという存在がいるというところから、焦る気持ちは無かったそうです。
学校に通いつつ自分の作品を探る日々。
美術史のDVDを数千本見て、素晴らしいアート作品の価値が分かるようになり、
ニューヨークの美術館制覇にまで乗り出したそうです。
そんな中、メトロポリタン美術館で日本美術と出会った際、浮世絵を見たことで衝撃が走ります。
作品に浮世絵の要素を加え始めるきっかけとなりました。
ナイキとのコラボレーション
街に出て絵を描き続けていたところ、25mの幅の壁に描くというチャンスが訪れます。
そこに描いた絵が関係者の目に触れ、ナイキからコラボプロジェクトの依頼が入ったそうです。
アーティストと職業が連動した瞬間でした。

この頃、ストリートで描いていたバンクシーやKAWSと出会って、貴重なネットワークも創ることができたそうです。
同時期に、日本の仲間たちが原宿で立ち上げたブランドのTシャツを手掛けたりと、繋がりが広がるという嬉しいこともあったとのことです。
- 2012年~2017年 School of Visual Arts 非常勤講師を務める
- 2019年 ニューヨークにある伝説の壁「バワリ―・ミューラル」に壁画を描く

これまで名だたるアーティストが壁画を描いてきたということで、松山さんのこの快挙は日本でも大きな話題を呼びました!次第に、新たな表現に挑戦したいと感じ始めたそうです。
- 2020年 JR新宿駅東口広場のアートスペースを監修・巨大彫刻を制作

- 2021年 NHK「日本美術館」で特集が組まれ、グローバルな活動と作品が高く評価される
- 2023年 欧州の有名画廊とパートナーシップを組み、ロンドンで初の個展を開催
最新の個展情報は?
最新では、2025年3月8日~5月11日に、東京で初となる大規模個展
「松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP」が、麻布台ヒルズ ギャラリーで開催されます。
いまや世界中が注目する次世代のアーティストの1人となった松山智一さんの日本初公開となる大規模作品など19点を含む、40点以上の作品を展示されています。
オープニングセレモニーでは、女優の永野芽衣さんがナビゲーターとして登壇されました。
実業家、インフルエンサーとして活躍される宮崎麗果さんも、夫の黒木啓司さんと初日に訪れたそうです。
宮崎麗果さんのご自宅玄関にも、松山智一さんの絵が飾られているそうですよ。
ガチャピン&ムック、いしだ壱成さん、成宮寛貴さん、鈴木一真さんなどの有名人も訪れているので、
期間内はさまざまな人がさらに訪れそうですね。
「1本10万円のうまい棒」げんだいびじゅつあじ も限定50本で販売されるそうです。
アート作品としての観賞用として作られたものなので、見る価値だけでも十分ありますね!
松山智一さんのグローバルな現代社会のリアリティを、
迫力ある色彩と壮大なスケールの絵画で体感できる展覧会となっているようです。
これまでの松山智一さんの作品を見ていると、色使いが素敵で、絵のことは何も分からない筆者ですが
なんか!可愛い!好き。と感じます。
新宿駅東口のオブジェも凄いですよね。
松山さんの日本とアメリカの両国で育った経験が反映された、東洋と西洋、古代と現代、具象と抽象など両極の要素が見られ、
カラフルでダイナミックな表現も素敵です。
まとめ
現代美術家の松山智一さんについてご紹介しました。
中学時代、高校時代はスケートボードやスノーボードに熱中しておられ、「アート」の「ア」の字もなかっただなんて意外でしたね。
方向転換し、厳しくも自分を磨ける場所に身を置こうと決心し進んだアートの世界。
ニューヨークでの生活や経験や人脈が現在のアート作品のベースとなっており、
ビビッドな色使いとエネルギッシュな構図で、強いインパクトを与えてくれる作品が特徴です。
美術史をひたすら見て、美術館を制覇しさまざまな時代や国の美術に触れた経験から、
現代的でありながら、多文化な要素を持つ唯一無二のユニークなアートスタイルとなっています。
お部屋に絵を飾りたくなってきてしまいました。(笑)
絵っおいくらぐらいするんでしょうか。
今後もさまざまなコラボレーションや、個展やテレビ出演などで
さらに注目があつまる方だと思います。
今後のご活躍も楽しみな方ですね。
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